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8/3/2006

・・・

 ●蝦蟇/蝦蟆    がま  a toad
        ヒキガエルの俗称。[季]夏。
 ●羚羊/氈鹿  かもしか
    偶蹄目ウシ科カモシカ属の哺乳類の総称。
ヤギに似た姿で、体色は変異に富み、頭胴長1.1~1.8メートル程。急峻な岩場で生活し、植物の葉や芽を食べる。ヒマラヤから東南アジア、台湾、日本にかけて分布。ニホンカモシカとスマトラカモシカの二種よりなるが、一般には前者を指すことが多い。
〔氈(かも)(=毛織リノ敷物)を織るのに用いた鹿の意からの名という〕
 ●獺/川獺   かわうそ  an otter
   イタチ科の哺乳類。
頭胴長70センチメートル、尾長50センチメートル内外。体の背面は光沢のある褐色、腹面は淡褐色。
四肢は短く、指の間に水かきがある。
泳ぎはきわめて巧みで、魚・貝・カニなどを食べる。ユーラシアに広く分布するが、数が減っている。
 
5/9/2006

・・・

枇杷(びわ) 

バラ科の常緑高木。西日本に自生し、また中国から果樹として渡来した。葉は長楕円形で革質。初冬、枝頂に白色の小花を多数つける。果実は卵球形で大きな種子が数個あり、初夏、橙黄色に熟する。果実を食用、葉を薬用とし、材は櫛(くし)や木刀を作る。[季]夏

蕗苳/款冬/菜蕗(ふき) 

キク科の多年草。山野に自生し、また野菜として栽培する。早春、地上に「ふきのとう」と呼ばれる苞(ほう)に包まれた花茎を出し、生長すると淡黄白色の頭花をつける。雌雄異株。花後、長い柄のある腎心形の大きな葉が出る。香りのある葉柄とふきのとうを食用とする。[季]夏

茗荷/蘘荷(みょうが・めうが) 

〔「芽香(めが)」の転という〕
(1)ショウガ科の多年草。暖地の林中に生え、野菜として栽培もされる。葉は広披針形。夏、地下茎の先から花序が出、淡赤褐色の苞片が多数重なって卵形となり、苞の間から淡黄色の花が次々と出る。独特の香りがあり、開花前の苞と若い茎を食用とする。鈍根草。古名メガ。〔「茗荷の花」は [季]秋〕→茗荷竹
→茗荷の子
(2)〔茗荷を食べると忘れっぽくなるという俗説から〕おろかな人。
(3)家紋の一。茗荷の花芽や花を図案化したもの。
 
4/3/2006

手段選ばぬ「情報戦」 領事館の遺書

<3/31付読売新聞(上海自殺問題取材班)より>
『2004年5月、在上海日本領事館の館員(当時46歳)が自殺した問題で、館員が残した総領事あての遺書から浮かび上がるのは、外交の現場で行われている情報戦の生々しい実態だ。中国情報当局は自らの利益になる情報を得るために「領事関係に関するウィーン条約」を当初から無視していた。日本が条約違反として抗議しても、それを認めようとしない中国側の対応は、昨年4月の反日デモなどとも共通する。ウィーン条約では、「(受け入れ国は)領事館の身体、自由、尊厳に対するいかなる侵害も防止するため、すべての適当な措置をとる」としている。遺書には「あなたは領事館員という立場で、そういうことをして、ただですむと思っているのか」「総領事館に知られたら困るのではないか」「国と国と問題になるぞ」など脅迫の模様が具体的に書いてあり、これらが「自由、尊厳」に対する侵害にあたるのは明白だ。中国側の工作の手口で特に巧妙なのが、館員に届けられた中国語の文書だ。情報機関「国家安全省」の名を冒頭に記して脅し、「個人的にあなたか総領事、首席領事と連絡をとりたい」とした。館員が上司に報告するのか、自分たちに相談してくるかを試す「心理テスト」と言えた。結局、館員は女性問題が周囲に知られることを恐れて「隊長」に相談。これによって袋小路に追い込まれる結果となった。「この時、上に打ち明けてくれていれば・・・」と、当時の関係者は残念がる。中国政府のこの問題に対する対応は、否定で一貫している。中国は昨年末、「日本側は、館員は職務の重圧のため自殺したと表明。遺族の意思に基づいて中国側に事件を公表しないよう求めた」との声明を発表。さらに「中国政府当局者といかなる関係もないことを確認した」「事件の責任を中国側に押しつけようとした」と反発している。中国側のこうした対応は、これまでも繰り返されてきた。昨年4月の反日デモをめぐる処理はその典型だ。北京、上海の反日デモでは、暴徒化した参加者が日本大使館や総領事館に石やペットボトル、レンガなどを投げ込み、ガラスが割れるなどの被害が出た。いずれのケースも、中国の警察当局は暴徒の破壊行為を抑える有効な対策を講じず、ウィーン条約が、公館保護のため、受け入れ国に課している責務を放棄した。事件後、再三「謝罪と賠償」を求める日本に対して、中国側は「デモの原因には、日本の歴史問題がある」として、むしろ日本側に責任があるとの主張をしており、謝罪に応じる気配はない。大使館や大使公邸については、原状回復をめぐる日中両政府の交渉がまとまり、昨年11月にようやく、壊れた窓ガラスなどの修復作業が行われた。しかし、上海の総領事館の本格的な修復作業は、行われていない。中国は2002年5月、瀋陽総領事館で起きた北朝鮮からの亡命希望者連行事件(瀋陽事件・・2002年5月8日、中国遼寧省瀋陽市にある日本総領事館に駆け込んだ北朝鮮住民5人が中国の武装警官に連行された。日本側は、総領事館への無断侵入を中国側に抗議、5人の身柄引き渡しを要求したが中国側は拒否した。)でも、武装警察官総領事館の敷地内に立ち入り、在外公館の不可侵権を侵害したにかかわらず、現在まで謝罪せず、うやむやにしたままだ。政府は、上海総領事館後、在外公館に赴任する外務省職員らの教育・研修を強化し、再発防止に努めている。ただ、事件直後の日本側の抗議に対し、中国側が非を認めなかったにかかわらず、昨年末の報道まで約1年7か月間、この問題を事実上放置するなど、対応には不手際があった。事件後、一貫して事実を伏せていた理由について、当時の外務省幹部は、「遺族への配慮に加え、インテリジェンス(機密情報)の絡む問題は表に出せないという判断があった。日本が問題を公表すれば、その後、[日本には機密情報は渡せない]と友好国にも警戒され、その後の外交での情報収集活動に支障が生じると考えた]と説明する。外務省は、中国の情報当局関係者の具体名を含め、ウィーン条約違反の詳細な事実関係を把握していたにもかかわらず、中国側への抗議は直後に2回、口頭で行っただけだった。その後、事件が公になるまで、中国側の「非」を追求せず、抗議を行わなかったことで、中国側のウィーン条約違反を事実上、日本側が黙認したと解されかねない対応だったとの指摘が出ている。この点については、外務省の梅田邦夫アジア大洋州局参事官は今年3月1日の衆院予算委員会で、「反省すべき点があった」と不備を認めた。また、小泉首相や安倍官房長官が事件を初めて把握したのは昨年末で、首相官邸と外務省との意思疎通の悪さも表面化した。このため、政府は今年1月末、今回のように政治判断が必要な外交案件は原則、首相官邸に報告するなどの対応策も決めた。外務省は事件後、赴任前の館員に、海外の情報機関による接触があった場合の対応について、事例集も用意するなど、研修プログラムを拡充した。 「弱み」と「貸し」で懐柔し、最後は一気に「脅し」をかける――。自殺した館員の残した遺書は、情報のプロが外交官を取り込む手口を、被害者の立場から克明に記した「マニュアル」のようにも見える。外交官は国家を代表して外国との交渉や情報収集にあたる。国民の目には表の姿しか見えないが、遺書は外交官が熾烈な情報戦の渦中にあることを示している。外国の情報員が「罠」を仕掛けてきたら、どう対応するか。今回、館員は自ら命を絶ったが、この問題が教える教訓は実に多い。情報戦に対する体制作りが早急に求められている。
 
総領事館員の遺書の要旨
自殺した在上海総領事館員が総領事にあてた遺書の要旨は、次の通り。
             ◇  
○○総領事殿
お世話をおかけして申し訳ございません。
1 カラオケの女性が去年6月、「そのての罪」で公安に捕まるということがありました。後で聞いたところ、不思議なことに1日で釈放されたとのことでした。ただし、その女性が勤めるカラオケの情報を毎日報告するというのが条件だったようです。その際、客に××(電信員の姓)というのがいるだろうとも言われたと言っていました。また、公安に捕まったことは誰に公言するなと言われたそうです。
2 (1) 7月位に私に「その話」をしただろうと、詰問され否定したところ、留置場に入れられたと、相当おびえておりました。
   (2)  8月に入りその女性が勤める店で「スパイ行為」をはたらいていることを私が他言しないとの確約が欲しいので、私に会って直接話をしたいと言っている。1度だけ会ってくれないだろうかとその女性から言われました。
 (3) もちろん私は断った上で、絶対に他言はしないと伝えて欲しい旨その女性に言いました。
 (4) 略
3    私は、断り続けましたが、弱みもあり、1度だけという約束で、12月の14日に、その女性と一緒に市内の喫茶店で公安と称する彼らに会いました。
 (1) 彼らは2人で現れ1人は唐(隊長)(40歳位)だと名乗り、他の1名は20代前半の女性で陸と名乗り通訳でした。
 (2) まず彼らは、その女性が「スパイ行為」をしていることを絶対に他言しないことを約束して下さいと言いました。私はそれに同意しましたが、彼らは私の行っている行為は中国では違法だが、私の総領事館員の立場を考えて、不問にするとのことでした。
 (3) 特に彼らは、高圧的でもなくむしろ、低姿勢でした。そして、外国人の意見を聞いて、「上海の発展に役立たせたい」様のことを言い、これから友達としてつき合ってくれないかと言ってきました。
 (4)  私は、それは断ると言ったところ、返事は今でなくても良いから、考えてみてくれと、立ち去りました。
4   その後も、返事を聞きたいので会って欲しいと、その女性(カラオケの)を通じて執拗に言って来ました。あまりの執拗さに、「弱み」もあり、根負けして、再び会い、(12月の末頃だと思います)、私が答えたくないと言うことには答えないという約束で、その後も会うことに同意してしまいました。
 (1) はじめは会っても、日本と中国の習慣の違いとは、上海の悪いところはどんなところだろうといった、とりとめのない話に終始しました。
 (2) 略
  (3) 略
5   2月20日、私のアパートのフロントに手紙が置かれるということがありました。内容は、国安(※国家安全省の意味・・・国家の防諜業務を専門的に行う政府部門。国家の安全を保つため、他国による国内での諜報活動、スパイ活動の監視、摘発や国家機密の保持を担当する。捜査、逮捕権などを持ち、国家安全を損なう行為を防止するための捜査も認められるなど、独自の権限が与えられている。)だが、総領事か首席(首席領事の意味)か私のいずれかに会いたい、誰が会うかはお前が決めろと、携帯電話の番号と電話をする時間等が書かれていました。
 (1) 今考えるとその時、既に完全に彼らの術にはまっていたのですが、うかつにもなんとか館の皆さんに知られずに事を済まそうと、彼らに相談しました。
 (2) 彼らは外国人を守るのは我々の仕事だし、今までも同様のケースが有ったし、心配することはないと、すぐ解決する様なことを言っていました。
 (3) それから、急に彼らと会う機会(「解決」するため)が多くなり、2週間後に「犯人」を逮捕したと言ってきました。
 (4) この時、初めてこの「事件」(文書が届けられたこと)が彼らが「仕組んだ」と気づきました。
6    略
7  また、その後3~4週間会いませんでしたが、女性(カラオケの)を呼び出し、「××は事態を理解していないようだが、大変なことになるぞ」と脅してきたと、彼女から「会った方が良い。心配だ」と言ってきました。4月25日にやはり、市内の喫茶店で会いましたが、私が「礼儀をわきまえていない」、中国では世話になったら、礼をつくすべきだ等と穏やかに言っていました。「事件解決」の事を指していると思いました。私が、何が目的なんだと聞くと(今までも何度も聞いてました)、やはり外国人の考え方を知りたいなどと、いつものように言っていました。
8    5月2日陸から電話が来て会いたいと言ってきました。この日は、私は素直に会うことを承諾しました。私の転勤をどこかで知ったのだと思いました。
 (1)  一番に、唐は総領事館の転勤はどの位であるのかと聞いてきました。私は通常2~3年だと答えました。あなたはいつ異動するんだと、聞かれたので、来年じゃないかと答えたところ、私(唐)はあなたが、転勤するのは知っている、なぜ黙っていたんだと言って来ました。知っているのなら、聞かなくてもいいではないかと言ったところ、あなたの口から聞きたいと言いました。
(2)  私は5月28日、日本に帰ると言ったところ、転勤だろうと言われ知っているのなら、聞かなくてもいいじゃないかと言う私に、再度あなたの口から聞きたいと言いました。サハリンだと答えると、これからもこのまま「友達」でいたいと言い、いいですかと念を押してきました。私は「断る」とはっきり言いました。
(3)  すると唐の態度が豹変し、あなたがやって来たことは中国では、法律に違反する。あなたは領事館員という立場で、そういうことをして、ただですむと思っているのか、我々と会っているということ自体、総領事館に知られたら困るのではないか、国と国の問題になるぞと恫喝してきました。仕事を失い、家族はどうなる。あなたが「協力する」と言えば、家族とも一緒に暮らせるし、その女性も幸せに過ごせる。全ては円満に収まるではないか。私達(唐)はあなたが「不幸」になる姿を見たくない等と言い続けました。3時間を経過したとき、私は「承諾する」と言いました。
(4)  そうすると、いきなり唐は当館の館員全員が載っている中文の名簿を出し、この全ての出身省庁を答えろと言いました。私は、答えました。すると、当館の館員で「情報収集」(ママ)の課の出身はだれだと言ってきました。私は、全員がここの館で初めて会った人なので知らないと答えると、そんなはずはないと執拗に聞いてきましたが、本当に知らないと言い続けるとあきらめたようでした。
(5)  私たち(唐)はあなたのことは、全て知っている、電信官だろうと言い「あなたの部屋に他の館員は入れないだろう」とまで言いました。私の仕事はPCの管理だと言い張りましたが、報告が全部あなたの所を通るのを知っている、館員が会っている中国人の名前を言えと言われました。皆パスポートで保護されているので、絶対に見られないと言うと、そんなはずはないが、今日はいいと言い話題を変えました。
(6)  あなたが、私たちに今度会うときにもってこれるものはなんだと聞かれました。どういうものなのかと聞くと、私たちが、興味のあるものだ、解るだろうと言われました。私は行嚢(こうのう)送付のフライトナンバーなら次回持ってこられると言うと、次に持って来るようにということで、解放されました。彼らが、私が通信の担当だと知っている以上、これから必ずシステムのことを聞いてくるのは明らかだと思われます。明日6日午後7時にまた会う約束をさせられており、もし会ったら私は日本を裏切ることになりかねません。私がこういう形で、自分の責任を取ろうとしても、もはや手遅れなのは承知しておりますが、一生あの中国人達に国を売って苦しまさせることを考えると、こういう形しかありませんでした。ご迷惑は承知の上でがお許しください。  
略   
総領事本当に、いろいろお気遣い頂いたにもかかわらず、裏切ってしまい本当に申し訳ありません。異動も決まって楽しみにしていたのですが、日本を売らない限り私は出国できそうにありませんので、この道を選びました。ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い致します。この2年間本当にありがとうございました。
2004、5、5
××××(本人署名)
                                                                                                                    』
 
 
日本歯科医師会から旧橋本派への1億円ヤミ献金事件で村岡兼造元官房長官に東京地裁の無罪判決が出た。政治資金規正法違反罪が当然問われるべきところに不起訴となっている橋本元総理は、訪中先にてこれを喜ばしい判決と述べたそうだが、過去10年間中国女性工作員の通訳と不倫関係にあったと噂されてきた彼を今日本の代表して中国と交渉させるはうってつけか。前原民主党代表が偽メール問題で引責辞任。日本国民としていつまでも日本の政治は三流って揶揄されたくはない・・・。
2/22/2006

『きょう「竹島の日」』

<読売新聞(政治部・岡崎哲、松江支局・小宮宏祐記者)より>
『 22日は、昨年3月に制定された島根県条例に基づく最初の「竹島の日」。竹島の領土問題の啓発を目指した条例だが、日韓両政府は両国関係の一層の悪化を避けるため、静観する構えだ。ただ、韓国側は「竹島の日」を逆手に取り、竹島の実効支配を事実上強化している。 
 「1905年2月22日竹島を島根県に編入。それから100年 島根県は竹島の日を制定しました」島根県は1月中旬から、地元テレビ3社で竹島の啓発用CMを流している。CMは中国地方の地図から竹島をクローズアップし、最後に「島根県は、韓国との対話、相互理解への努力を続けます」と強調する。県は昨年2月のCMでは、「(竹島は)歴史的にも日本国有の領土です」と日本の領有権を前面に押し出したが、今回は、韓国側との対話を訴えた。県幹部は「主張は続けるが、対話なしに解決はない」と語る。昨年のCM放映直後には、県の姉妹提携先の韓国・慶尚北道が猛烈に抗議し、その後、姉妹提携の撤回につながった。県は再三、交流再開を呼びかけたが、2月15日の返信は「有効信頼の回復を求めるなら、{竹島の日}条例の速やかな破棄と行事の取り消しを」という厳しい内容だった。松江市内で22日に県が主催する「竹島の日の集い」には、約250人が参加し、フォーラムなどで早期に竹島の領有権確立を訴える。だが、招待した麻生外相、中川農相ら閣僚だけでなく、自民党の青木参院議員会長、細田博之国会対策委員長ら地元選出国会議員も「国会開会中」を理由に出席を見送る。政府は「竹島は日本国有の領土」の立場ながら、県とは一線を画している。安倍官房長官は21日の記者会見で、「大局的見地から、(日韓)双方の国民感情をあおらずに問題解決を図るべく、引き続き冷静に努力していく」と語った。竹島を不法占拠されている現状では、「日本側がいたずらに騒ぐと、対抗措置として、韓国側の実効支配が強まり、国際法上ますます不利になる」(外務省幹部)という判断からだ。政府の「静観」は、悪化している日韓関係への配慮もある。昨年初めの「竹島の日」条例制定の動きに対し、韓国政府は強く反発。2004年までは友好ムードだった日韓首脳会談も、歴史問題や靖国神社参拝問題をめぐる激論の場に一変した。首脳間の「シャトル外交(両国首脳が年1回相互訪問し、両国間の課題を話し合おうというもの。2004年7月の韓国・済州島を手始めに、04年12月(鹿児島県指宿市)、05年6月(ソウル)と3回行われたが、靖国問題などで途絶えている。)」も05年後半は開かれず、1年半で途絶えた。ただ、韓国の実効支配の強化への焦りは、地元も政府・与党も共通している。条例案提案者の1人、上代義郎県議は「政府には、国際司法裁判所への提訴や、(竹島担当の)所管部署の設置を求めてきたのに、一向に進展がない」と不満を隠さない。自民党からも、「領土問題は国の根幹、尊厳にかかわる重大な問題だ。韓国を怒らせないように、という事なかれ主義では、前進はない」(幹部)との声が出ている。小此木政夫慶大教授(現代朝鮮政治)は、「竹島問題が大きくなったのは、歴史問題と絡んだためだ。昨年は韓国側にとって光復節60周年など歴史的な年で、結果的に相互不信につながった」と指摘する。
 
竹島問題への内外の関心を高めようとした「竹島の日」条例の制定が、韓国側に実効支配を強化する格好の口実を与え、多くの民間交流の断絶を招いたことは極めて不本意で、残念だ。竹島問題は、靖国参拝、歴史教科書問題とともに、日韓関係の懸案の「3点セット」となっている。しかし、幅広い国民の深い理解と関心がなければ、領土問題の前進が難しいことも確かだ。島根県が主張するように、政府は引き続き、日本国民への啓発活動に積極的に取り組む必要がある【岡崎】
【ソウル・福島恭二記者より】韓国政府は昨年3月、条例への対抗措置として、竹島(韓国名・独島)への上陸規制を大幅緩和した。その結果、一般市民の観光が可能になり、11月までに前年の10倍以上の1万9760人が上陸。すでに展望台設置工事を始め、携帯電話基地局の設置許可も出している。「竹島の日」条例制定以降、韓国は実効支配を着実に進めて来た。今回の島根県の記念行事について、外交通商省幹部は、「自治体の事業なので、政府として特段の措置は取らずに見守るだけだ」と強調する。韓国政府が「静観」の構えを見せるのは、関連行事に日本の閣僚や国会議員が出席せず、日本政府が直接関与していないと、ある程度評価している面もある。ただ、根底には、韓国が日本側の動きに反応すればするほど、国際社会で領土問題の存在をアピールしたい日本側の思うつぼになるとの懸念があり、「騒ぐより実効支配の既成事実化を進めた方が得策」との判断がある。「韓国政府やマスコミが世論を刺激したり、両国間の争いを助長したりしては困る」(韓国紙「中央日報」)。「竹島の日」を前に、韓国メディアも昨年のような反日キャンペーンは展開しておらず、大規模な抗議行動もない。在ソウル日本大使館前では21日、「独島守護」を訴える市民団体の約20人が「行事を強行するのは、領土侵害行為だ」とシュプヒコールを上げたが、この日、大使館周辺で行われたデモや集会はいずれも小規模だった。ただ、「竹島の日」に対する国民の反発はくすぶっており、問題が再燃しないとは限らない。外交通商省関係者は、「韓国世論に火がつけば、政府として乗り出さざるを得なくなる」と懸念する。
 
竹島をめぐる主な動き(肩書きは当時)
1905. 1.28  政府、竹島の島根県編入を閣議決定。
    2.22 島根県が竹島の所属と所管を告示。
  10. 8. 22 日韓併合条約調印。
  52. 1. 18 韓国の李承晩大統領が境界線「李承晩ライン」を設定。竹島を含む朝鮮半島周辺
        海域の主権を宣言。
  54. 9. 25 政府、竹島問題の国際司法裁判所付託を提案。韓国側は拒否。
  65. 6. 22 新日韓漁業協定発効。竹島の領有権問題を棚上げし、竹島周辺に暫定水域を
        設定。
  99. 1. 22 新日韓漁業協定発効。竹島のの領有権問題を棚上げし、竹島周辺に暫定水域を
        設定。
2004. 1. 16 韓国、竹島をデザインした切手を発行。
  05. 2. 23 島根県議会に「竹島の日」制定条例案を議員提案。
     3.  1 韓国の盧泰愚大統領が演説で日本側に「過去の謝罪と賠償」を要求。
      16 島根県議会本会議で「竹島の日」制定条例可決。
      23 盧大統領が竹島、歴史教科書、靖国神社などで日本を批判
      25 「竹島の日」条例を公布、施行。
     5.  2   韓国情報通信相が竹島に上陸。日本政府が抗議。
     6. 20 ソウルで日韓首脳会談。歴史問題などで対立。
    11.18 釜山で日韓首脳会談。盧大統領が「靖国参拝、歴史教科書、独島(竹島)問題を
         解決する必要がある」と強調。
2006. 2. 22  島根県条例に基づく初の「竹島の日」。
 
竹島・・・島根県隠岐の島町に属し、東西2島と周辺の岩礁で構成する。日本政府は1905年1月、島根県に編入する閣議決定を行い、同年2月22日、島根県が所属と所管を告示した。52年、韓国の李承晩大統領が境界線「李承晩ライン」を設定し、竹島を含む朝鮮半島周辺の海域の主権を主張した。      』
 
 
 
  今日2月22日は、ボーイスカウト創始者元英陸軍人ベーデンパウエル卿の生誕149年の日で「世界友情の日・国際友愛の日」。夫人オラブ・ベーデンパウエルも同じ誕生日ということらしいから、ボーイスカウト出身の宇宙飛行士の野口氏やらガールスカウト出身の小池百合子環境大臣やらもおそらくこの日はご存知だろうから環境破壊に繋がるが故に武力で領土問題を解決しようとすれば黙っちゃいないのかもしれない。ミサイル発射実験に成功したパキスタンから核の技術供与を受けている北朝鮮が大阪で朝鮮総連と民潭とが仲良く握手をするニュースのごとくこの先朝鮮半島で手を繋いでいくとしたら飛んでいくミサイルの行方はアメリカ本土か。トリノオリンピックを見ていると平和っていいなあと思うのだけど・・・。ベーデンパウエル卿は太平洋戦争開戦の1941年に83歳で亡くなられたが、その最期のメッセージにはお金持ちになっても社会的に成功してもわがままができてもそれによって幸福にはなれない、幸福を得る本当の道はほかの人に幸福を分け与えることにある、備えを常に、などと書き残したようだけど、韓国にはボーイスカウトの精神を持ち合わせているような民衆、官僚、政治家などはいないってことかな・・。
2/19/2006

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泥鏝(でいまん) ・・・ 壁を塗るときに用いるこて。

政所(まんどころ)・・・
(1)平安中期以降、権勢家などで所領の事務を中心に一切の庶務を取り扱った家政機関。所領にも荘官の政所があった。
(2)大寺社において、所管の事務や所領経営など雑務を執行した機関。
(3)鎌倉幕府における政務機関の一。原型は源頼朝が設置した公文所(くもんじよ)。鎌倉幕府の庶政、特に財政を扱うとともに、鎌倉市中の訴訟を担当した。
(4)室町幕府における政務機関の一。財政事務を管掌した。
(5)「北の政所」の略。
 
施餓鬼(せがき) ・・・ 餓鬼の世界におちて飢餓に苦しむ亡者に食物を供えて弔う法会。もともと時節を選ばずに行われたが、盂蘭盆会(うらぼんえ)とともに行われることが多く、両者が混同されるようになった。真宗以外の各宗派で行われる。施餓鬼会(せがきえ)。[季]秋。 「―棚」
2/6/2006

・・・

 杜若/燕子花(かきつばた)〔古くは「かきつはた」〕
(1)アヤメ科の多年草。湿地に生える。ハナショウブに似るが葉は幅が広く、中脈は発達しない。高さ約70センチメートル。初夏、茎頂の苞の間に三個内外の濃青色・白色・斑入りなどの花を開く。かいつばた。かおよばな。[季]夏。《―似たりや似たり水の影/芭蕉》
(2)襲(かさね)の色目の名。表は二藍(ふたあい)、裏は萌黄(もえぎ)。または、表は薄萌黄、裏は薄紅梅。陰暦四月に用いる。
(3)家紋の一。(1)の花と葉を図案化したもの。主に、公家の紋。

能の一。三番目物。三河の八つ橋で旅僧の前に杜若の精が現れ、業平(なりひら)の詠歌の力で成仏したことや、業平東下りの物語を語り、舞を舞う。
 
 杜若(とじゃく) ・・・ヤブミョウガの漢名。誤ってカキツバタの漢名。
 
 杣人(そまびと)・・・杣木を切ることを職業とする人。きこり。杣夫(そまふ)。そまうど。

 求食(くじき)・・・食べ物を求めること。
12/21/2005

『関与濃厚 総研窮地』

<新聞より>
『 耐震強度偽装問題で、総合経営研究所(総研)幹部が鉄筋量削減を指示したメモが発覚し、関与を否定してきた総研が窮地に立たされている。一方、木村建設がホテルからマンションに事業を展開したのに伴い、偽装物件が拡大した経緯も明らかになってきた。木村建設主導で、姉歯秀次元建築士以外の設計士も鉄筋量不足のホテルを設計した疑惑が浮上する仲、捜査当局が20日、関係先を家宅捜索、全容解明に乗り出す。
「再検討してほしいという意味。必ずその数値にしろという指示ではない」総研チーフコンサルタント四ヶ所猛氏のメモが公表されて以来、総研はホームページ(HP)にこんな弁明を載せるなど否定に躍起だ。18日には四ヶ所氏自身がテレビに出演、釈明した。だが、14日の衆院国土交通委員会で示されたメモは具体的。「鉄筋の使用量が1平方㍍当たり119㌔になっている。多くても75~80㌔に」「四隅の主筋をタバネ配筋にすれば4本は減らせる」。鉄筋の直径を示す数値や複雑な数式、配置図まで。四ヶ所氏は16日の国交省の聴取に「(減らしても)他の物件と比較して問題ない」としたが、それまで「鉄筋を減らせと言ったことは一切ない」としてきた総研側の主張の一部が崩れた。内河健所長は証人喚問でメモを「全然知らない」と押し切った。だが、総研の内情を知る関係者は「ワンマン会社の総研でトップが把握していないというのは考えにくい」と話す。総研が指導してきたのはホテル。マンションに関与した形跡はない。なぜ偽装がマンションに拡大したのか。関係者の証言からは、双方にかかわった木村建設の存在が浮かび上がる。総研からコストカットの手法を学んだ木村建設が、マンションに応用した、と関係者はみる。「短い工期で仕上げる工法を一番早く覚えた」。総研の内河所長は木村建設をこう評する。木村建設と総研のかかわりは約30年前から。その後「指導は総研、設計は平成建設、施工は木村建設」という構成が確立した。平成設計の下請けとして取り込まれた姉歯元建設士は、証言どおりだとすれば、1998年ごろから偽造に手を染める。「当初はホテルが多かったが、2003年ごろからマンションが増えた」と姉歯元建設士。木村建設が総研の指導を離れ「ヒューザー」などを建築主とするマンション建設に重点を置き始めたのと、時期的に一致する。ある建築関係者は「四ヶ所氏のメモは木村建設元東京支店長の姉歯氏への指示はそっくり」と指摘する。木村建設が国に提出した資料から、姉歯元建築士以外の建築士が構造計算したホテルでも、通常より鉄筋量が不足しているケースが16日、判明した。中には「1平方㍍当たりの鉄筋量51.14㌔」というホテルも。「第二の姉歯がいるのではないか」と衝撃が広がり、国交省は急きょ13のホテルについて、関係自治体を通じて、調査に乗り出した。「耐震基準を満たしていない疑いは十分にある。徹底的に調査しないと国民の不安は収まらない」と都内のある建築士。強制捜査を前に警視庁の捜査幹部は「関係者も多く難しい事件だが、やりがいがある」と意気込む。四ヶ所氏のメモを公表した民主党の馬渕澄夫議員は「ここまで不正を見逃し、拡大させた国交省や自治体の責任もきちんと追及しなければ」と話した。         』
 
 
 
 
 
 短大卒業後23歳で起業しコンサルタント業で財を成した総研所長(71)のセミナーを受けてきた多くの企業に与党自民党・公明党が全く絡んでいないはずはないのだから、その長年の献金の返却をまず先にしてから公的資金の投入をしていただきたいもの。2004年暮れに野球殿堂入りし、この12月に肺がんで亡くなられた仰木彬(享年70)氏は、「俺にかかわった人間をすべて呼べ、金は俺がすべて支払う、生前葬だ。」と、ドラフトでくじを引き当てた野茂や名付け親となったイチローをはじめ関わりある人々でその祝賀パーティーを開いたそうだけど、 彼と同世代の総研所長も、残してきたものには雲泥の差はあるけれども、関わりを持ってきた人々勢揃いによる生前葬となるのだろうか・・・。
12/9/2005

『北米産牛肉輸入解禁 半数近くが疑問残す』

<新聞より>
『北米産牛肉の安全性をめぐり、内閣府の独立機関である食品安全委員会・プリオン専門調査会の十二人の専門委員のうち、半数近くが諮問の仕方や米国での輸入条件順守の実効性について、疑問や不安を抱いたまま、輸入再開を容認する結論を出していたことが七日、共同通信社の聞き取り調査で分かった。「生後二十ヶ月以下で危険部位を除けば日本とリスクが同等か」という限定された諮問内容に対し、「都合よく結論ありきの議論をさせられている」(品川森一委員=動物衛生研究所プリオン病研究センター長)との批判もあった。安全性を左右する危険部位の除去など、諮問の対象外である米国の安全対策への不安が専門委員の間にも強いことが浮かび上がった形で、禁輸解除に踏み出す政府は米国の安全対策の監視という「重い責任」を負うことになる。食品安全委は8日に答申を提出し、政府は12日にも輸入解禁を決める。調査会の委員の多くがこだわったのは、米国が輸入条件を順守するという前提の実効性。座長の吉川泰弘東大教授は「米国が輸入条件を守ってくれるか心配だ」と指摘。また座長代理の金子清俊・東京医科大教授は「安全かと言われても、順守状況が分からない」と話し、安全性確保の核心部分が米国側の手に委ねられていることに懸念を示した。山内一也委員(東大名誉教授)は「前提が守られれば評価結果に責任をもつが、前提が守られるか私たちには分からない」と話した。輸入条件の順守を前提とした政府の諮問方法にも批判の声が強く、山内委員も「諮問の仕方がおかしい」と指摘した。調査会は十月末、特定危険部位の除去や生後二十ヶ月以下などの輸入条件が順守された場合、牛海綿状脳症(BSE)に対する北米産牛肉と国産牛肉の「リスクの差は非常に小さい」とする答申案をまとめている。』
 
 
 
 
国立公文書館から日米開戦への経緯についてインターネット特別展が開かれているけれども、日本が開戦宣言をせずして真珠湾への卑劣な攻撃としたとする歴史教育の誤りについては、米国人たちも四年前の9・11の同時テロ同様、予め情報を掴みながらも発表せず、国民に被害者意識を持たせることで戦争への志気を高めさせたと同じ手法による米国流世論操作であることは見て取れること。流域の化学工場の中国松花江汚染によりアムール川に流れ数ヶ月で日本の北の海にもその汚染が拡がることが予想される中、経済活動優先を理由に京都議定書にサインをしないアメリカは日本に偽装をも可能な牛肉を輸入させることに成功したようだ。人の命より金を追う事が金脈の源泉であると信ずる愚かな隣・・・。
11/15/2005

『JR西に改善勧告』

<読売新聞より>
『JR福知山線脱線事故を巡って国土交通省は15日、JR西日本が再発防止策としてまとめた「安全性向上計画」について取り組みが不十分だとして、同社に対し、社内体制の改善などを求める「勧告」を行った。勧告では、事故につながりかねないトラブル情報などが組織間で共有されていないなど、7項目の改善点を指摘。同計画の実施に向けて、具体的な行程表をまとめた上で取り組むよう、異例の指示を行った。国交省は勧告の中で、トラブル情報などを集約する安全推進部の機能強化を指示。一方で、同部を支える運行部門などについては、情報分析や原因究明についての責任分担が不明確なため、協力体制ができあがっていないと指摘した。また、現場部門から寄せられた意見に対し、本社側が具体的な施策を打ち出していないとし、企業風土を変革するための取り組みが不十分だと断じた。国交省はこれまで、JR西がまとめた安全性向上計画の実施状況を調べるため、今年7月から10月にかけて、JR西の本社や大阪支社に対する保安監査を実施。監査の中で、新型自動列車停車装置(ATS-P)の設定ミスなどが新たに見つかったため、国交省は「安全への取り組みが不十分」として改善を求めていた。
 
 JR西日本に対する「勧告」の骨子
①企業風土の変革
 「安全ミーティング」で得られた意見に本社が具体的施策を打ち出し、風土・価値観を変革。
②「事故の芽」への対応
 「事故の芽」「気がかり事象」の分析を安全推進部中心に取り組む。
③現場職員の教育・指導
 ベテラン層の大量退職を控え、早急に若年層への技術技能の円滑継承を講ずる。
④管理部門の業務
 各部署が正確なデータを作成、最新のデータを共有するシステムを構築。
⑤情報伝達・共有
 複数支社に乗り入れするアーバンエリアで、トラブル情報などを共有化。
⑥事故再発防止
 事故、トラブルの原因究明のため安全推進部の機能強化。関係部署の責任分担を明確化し協力体制を構築。
⑦運行・設備
 ダイア改正で余裕時分を吟味した上でダイヤを作成。予備車両数の検証。   』
 
 
 
 
 
 坂本龍馬生誕170周年で、昔ダーウィンが連れてきたという亀がオーストラリアで175歳の誕生日迎え、夕方支持率低空飛行のブッシュ大統領が京都入りし、予定通り(?)の連動(??)地震・津波もあった今日、紀宮内親王さまは幼馴染の都職員と御結婚され皇籍離脱され民間人になられた。国の安全のためにも米軍再編は必要なことだと思うけれど、後に予定されているご両人の国内新婚旅行のためにも是非とも国内交通の安全安心は皇居周辺、身辺警護の続く最低6か月のみに限られはしないことを・・・。
10/30/2005

『自民党新憲法草案の全文』

<10/29付読売新聞より>

今年一月から全党的議論 新憲法起草案
 自民党新憲法起草委員会は、2005年11月の結党50年党大会に合わせて新憲法草案を作成することを目指し、昨年12月に発足した。委員長には森前首相が就任。「天皇」「内閣」など現行憲法の章ごとに計10の小委員会を設置し、今年1月から全党的な議論を始めた。国民の間で広く改憲論議を起こす狙いで、草案作りの中間的な結果を随時公表。4月に各小委員会の意見集約結果をまとめた小委員会要綱を発表したのを手始めに、7月に起草委要綱、8月に条文形式の草案第一次案を示した。9月の衆院選後、「前文」「安全保障」「国民の権利・義務」の議論を進め、草案を完成させた。

 

自民党新憲法起草委員会の主要メンバー

△委員長 森前首相 △事務総長 与謝野政調会長 △副事務総長 中曽根弘文・元文相 △事務局長 保岡興治・元法相 △事務局次長 舛添要一参院議員 △前文小委員長 中曽根元首相 △天皇小委員長 宮沢元首相 △安全保障及び非常事態小委員長 福田康夫・前官房長官 △国民の権利及び義務小委員長 船田元・元経企庁長官 △国会小委員長 (※綿貫民輔・元衆院議長) △内閣小委員長 林芳正参院議員 △司法小委員長 森山真弓・元法相 △財政小委員長 溝手顕正参院議員 △地方自治小委員長 大島理森・元文相 △改正及び最高法規小委員長 高村正彦・元外相 (※国会小委員長は、綿貫氏が除名処分となったため現在は空席) 

 

■現行憲法96条に定める改憲手続き

1 国会の発議 ①原案の提出 ②審議 ③議決

           ~各議院の総議員の三分の二以上の賛成で発議。

2 国民投票による承認

           ~過半数の賛成で承認。

3 天皇の公布

           ~天皇は、国民の名で直ちに公布。

 

 

※章の分け方は、自民党案と現行憲法は同じ。第2章の呼称については、自民党案は、現行憲法の「戦争放棄」から、[安全保障」に改めている。

※現行憲法第11条捕則の第100条から103条までは省略した。

※現行憲法の正文には項目番号や見出しはないが、便宜上、各条文に見出し(カッコ内)を付け、番号をふってある。

 

 

前 文

 

[自民党案]

日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者として、ここに新しい憲法を制定する。

象徴天皇制は、これを維持する。また、国民主権と民主主義、自由主義と基本的人権の尊重及び平和主義と国際協調主義の基本原則は、不変の価値として継承する。

日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し、自由かつ公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実を図り、教育の振興と文化の創造及び地方自治の発展を重視する。

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に願い、他国とともにその実現のため、協力し合う。国際社会において、価値観の多様性を認めつつ、圧政や人権侵害を根絶させるため、不断の努力を行う。

日本国民は、自然との共生を信条に、自国のみならずかけがえのない地球の環境を守るため、力を尽くす。

 

[現行憲法]

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類不偏の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷属、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

 

 

第1章  天 皇

 

[自民党案]

第一条(天皇)

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

[現行憲法]

第一条(天皇の地位・国民主権)

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 

[自民党案]

第二条(皇位の継承)

皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

[現行憲法]

第二条(皇位の継承)

皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

 

[自民党案]

第三条(欠)

[現行憲法]

第三条(天皇の国事行為に対する内閣の助言と承認)

天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

 

[自民党案]

第四条(天皇の権能)

天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない。

[現行憲法]

第四条(天皇の権能の限界、天皇の国事行為の委任)

①天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

②天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

 

[自民党案]

第五条(欠)

[現行憲法]

第五条(摂政)

皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

 

[自民党案]

第六条(天皇の国事行為)

①天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づいて最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

②天皇は、国民のために、次に掲げる国事に関する行為を行う。

一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。

二 国会を召集すること。

三 第54条第一項の規定による決定に基づいて衆議院を解散すること。

四 衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。

五 国務大臣及び法律の定めるその他の国の公務員の任免及び全県委任状並びに大使及び公使の信任状を認証すること。

六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。

七 栄典を授与すること。

八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。

九 外国の大使及び公使を接受すること。

十 儀式を行うこと。

③天皇は、法律の定めるところにより、前二項の行為を委任することができる。

④天皇の国事に関するすべての行為は、内閣の助言と承認を必要とし、内閣がその責任を負う。

[現行憲法]

第六条(天皇の任命権)

①天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。

②天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

 

[自民党案]

第七条(摂政)

①皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名で、その国事に関する行為を行う。

②第四条及び前条第四項の規定は、摂政について準用する。

[現行憲法]

第七条(天皇の国事行為)

天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。

二 国会を召集すること。

三 衆議院を解散すること。

四 国会議員の総選挙を施行を公示すること。

五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の委任状を認証すること。

六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。

七 栄典を授与すること。

八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。

九 外国の大使及び公使を接受すること。

十 儀式を行ふ。

 

[自民党案]

第八条(皇室への財産の譲渡等の制限)

皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与するには、法律で定める場合を除き、国会の議決を経なければならない。

[現行憲法]

第八条(皇室の財産授受)

皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

 

《前文》

草案の前文は、「現代及び未来の国際社会における日本の国家目標を高く掲げ」「国民が誇り得る前文とする」(起草委要綱)ことをめざして作成された。国の在り方に関しては、現行憲法に盛り込まれている国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の考え方を受け継ぐことを明確にし、国際協調主義の原則を明記した。積極的に国際貢献を行う姿勢を示すことで、憲法改正に対するアジア諸国の懸念を払しょくする狙いがある。福祉、教育、地方自治、環境など、戦後と状況が様変わりした諸課題にも積極的に取り組む姿勢を表明。とくに、環境については、「自国のみならずかけがえのない地球の環境を守るため、力を尽くす」と宣言した。小委員会の中曽根元首相が作成した原案には、「太平洋と日本海の波洗う島々」などと、随所に「日本の国らしさ」を示す表現が盛り込まれていたが、削除された。

 

《天皇》

自民党内の論議で焦点となったのは、天皇を「元首」と明確に位置付けるかどうかという点だった。「天皇は対外的に国の代表と受け止められている」として、天皇を明治憲法のように「元首」とするよう求める声が出たためだ。だが、「復古調だと誤解される」などの慎重論が相次いだことから、「元首」化は見送られ、現行憲法を踏襲して象徴天皇を維持することで決着した。女性天皇に関する条項を憲法に設けるべきだとの意見もあったが、現行通り、皇室典範にゆだねることとした。この結果、現行憲法からの修正は、あいまいな言葉遣いを正すことにとどまった。天皇の国事行為について、「国会議員の総選挙の施行を公示すること」との表現を、「衆院議員の総選挙及び参院議員の通常選挙の施行を公示すること」に改めた。

 

 

第2章 安全保障

 

[自民党案]

第九条(平和主義)

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第九条の二(自衛軍)

①我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍を保持する。

②自衛軍は、前項の規定による任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

③自衛軍は、第一項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。

④前二項に定めるもののほか、自衛軍の組織及び統制に関する事項は、法律で定める。

[現行憲法]

第九条(戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認)

①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決手段としては、永久にこれを放棄する。

②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

 

第3章 国民の権利及び義務

 

[自民党案]

第十条(日本国民)

日本国民の要件は、法律で定める。

[現行憲法]

第十条(国民の要件)

日本国民たる要件は、法律で定める。

 

[自民党案]

第十一条(基本的人権の享有)

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。

[現行憲法]

第十一条(基本宣言)

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

 

[自民党案]

第十二条(国民の責務)

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、保持しなければならない。国民は、これを濫用してはならないのであって、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、常に公益及び公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する責務を負う。

[現行憲法]

第十二条(自由及び権利の保持責任)

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

 

[自民党案]

第十三条(個人の尊重等)

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

[現行憲法]

第十三条(個人の尊厳)

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

[自民党案]

第十四条(法の下の平等)

①すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

②華族その他の貴族の制度は、認めない。

③栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

[現行憲法]

第十四条(法の下の平等)

①すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

②華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

③栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

 

[自民党案]

第十五条(公務員の選定及び罷免に関する権利等)

①公務員を選定し、及び罷免することは、国民固有の権利である。

②すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。

③公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

④選挙における投票の秘密は、侵してはならない。選挙人は、その選択に関し、公的にも私的にも責任を問われない。

[現行憲法]

第十五条(公務員を選定罷免する権利、公務員の性質、普通選挙の保障、投票の秘密の保障)

①公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

②すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

③公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

④すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任は問はれない。

 

[自民党案]

第十六条(請願をする権利)

①何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願をする権利を有する。

②請願をした者は、そのためにいかなる差別待遇も受けない。

[現行憲法]

第十六条(請願権)

何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇を受けない。

 

[自民党案]

第十七条(国等に対する賠償請求権)

何人も、公務員の不法行為により損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

[現行憲法]

第十七条(国及び公共団体の損害賠償責任)

何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

 

[自民党案]

第十八条(奴隷的拘束及び苦役からの自由)

①何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。

②何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

[現行憲法]

第十八条(奴隷的拘束及び苦役からの自由)

何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

 

[自民党案]

第十九条(思想及び良心の自由)

思想及び良心の自由は、侵してはならない。

第十九条の二(個人情報の保護等)

①何人も、自己に関する情報を不当に取得され、保有され、又は利用されない。

②通信の秘密は、侵してはならない。

[現行憲法]

第十九条(思想及び良心の自由)

思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

 

[自民党案]

第二十条(信教の自由)

①信教の自由は、何人に対しても保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

②何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

③国及び公共団体は、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超える宗教教育その他の宗教的活動であって、宗教的意義を有し、特定の宗教に対する援助、助長若しくは促進又は圧迫若しくは干渉となるようなものを行ってはならない。

[現行憲法]

第二十条(信教の自由)

①信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

②何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

③国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 

[自民党案]

第二十一条(表現の自由)

①集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、何人に対しても保障する。

②検閲は、してはならない。

第二十一条の二(国政上の行為に関する説明の責務)

国は、国政上の行為につき国民に説明する責務を負う。

[現行憲法]

第二十一条(集会・結社・表現の自由、通信の秘密)

①集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

②検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 

[自民党案]

第二十二条(居住、移転及び職業選択等の自由等)

①何人も、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

②すべて国民は、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

[現行憲法]

第二十二条(居住・移転・職業選択・外国移住の自由・国籍離脱の自由)

①何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

②何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

 

[自民党案]

第二十三条(学問の自由)

学問の自由は、何人に対しても保障する。

[現行憲法]

第二十三条(学問の自由)

学問の自由は、何人に対しても保障する。

 

[自民党案]

第二十四条(婚姻及び家族に関する基本原則)

①婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

②配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

[現行憲法]

第二十四条(家族生活における個人の尊厳と男女の平等)

①婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

②配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

 

[自民党案]

第二十五条(生存権等)

①すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

②国は、国民生活のあらゆる側面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

第二十五条の二(国の環境保全の責務)

国は、国民が良好な環境の恵沢を享受することができるようにその保全に努めなければならない。

第二十五条の三(犯罪被害者の権利)

犯罪被害者は、その尊厳にふさわしい処遇を受ける権利を有する。

[現行憲法]

第二十五条(生存権、国の社会的使命)

①すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 

[自民党案]

第二十六条(教育に関する権利及び義務)

①すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

②すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、無償とする。

[現行憲法]

第二十六条(教育を受ける権利)

①すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

②すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

 

[自民党案]

第二十七条(勤労の権利及び義務等)

①すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。

②賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律で定める。

③児童は、酷使してはならない。

[現行憲法]

第二十七条(勤労の権利及び義務)

①すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

②賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。

③児童は、これを酷使してはならない。

 

[自民党案]

第二十八条(勤労者の団結権等)

勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、保障する。

[現行憲法]

第二十八条(労働者の団結権)

勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

 

[自民党案]

第二十九条(財産権)

①財産権は、侵してはならない。

②財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合するように、法律で定める。この場合において、知的財産権については、国民の知的創造力の向上及び活力ある社会の実現に留意しなければならない。

③私的財産は、正当な補償の下に、公共のために用いることができる。

[現行憲法]

第二十九条(財産権)

①財産権は、これを侵してはならない。

②財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

③私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

 

[自民党案]

第三十条(納税の義務)

国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。

[現行憲法]

第三十条(納税の義務)

国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

 

[自民党案]

第三十一条(適正手続の保障)

何人も、法律の定める適正な手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰は科せられない。

[現行憲法]

第三十一条(法的手続きの保障)

何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

 

[自民党案]

第三十二条(裁判を受ける権利)

何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。

[現行憲法]

第三十二条(裁判を受ける権利)

何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

 

[自民党案]

第三十三条(逮捕に関する手続の保障)

何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、裁判官が発し、かつ、理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ逮捕されない。

[現行憲法]

第三十三条(逮捕の要件)

何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

 

[自民党案]

第三十四条(抑留及び拘禁に関する手続の保障)

①何人も、正当な理由がなく、若しくは理由を直ちに告げられることなく、又は直ちに弁護人に依頼する権利を与えられることなく、又は直ちに弁護人に依頼する権利を与えられることなく、抑留され、又は拘禁されない。

②拘禁された者は、拘禁の理由を直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示すことを求める権利を有する。

[現行憲法]

第三十四条(拘留又は拘禁の要件、不法拘禁に対する保障)

何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へなれなければ、拘留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

 

[自民党案]

第三十五条(住居等の不可侵)

①何人も、正当な理由に基づいて発せられ、かつ、捜索する場所及び押収する物を明示する令状によらなければ、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索又は押収を受けない。ただし、第三十三条の規定により逮捕される場合は、この限りではない。

②前項本文の規定による捜索又は押収は、裁判官が発する各別の令状によって行う。

[現行憲法]

第三十五条(住居の不可侵)

①何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

②捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

 

[自民党案]

第三十六条(拷問等の禁止)

公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対に禁止する。

[現行憲法]

第三十六条(拷問及び残虐刑の禁止)

公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

 

[自民党案]

第三十七条(刑事被告人の権利)

①すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。

②被告人は、すべての証人に対して審問をする機会を充分に与えられる権利及び公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。

③被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを付する。

[現行憲法]

第三十七条(刑事被告人の権利)

①すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。

②刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。

③刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

 

[自民党案]

第三十八条(刑事事件における自白等)

①何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

②拷問、脅迫その他の強制による自白又は不当に長く抑留され、若しくは拘禁された後の自白は、証拠とすることができない。

③何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされない。

[現行憲法]

第三十八条(自己に不利益な供述、自白の証拠能力)

①何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

②強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。

③何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

 

[自民党案]

第三十九条(遡及処罰等の禁止)

何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。同一の犯罪については、重ねて刑事上の責任を問われない。

[現行憲法]

第三十九条(遡及処罰の禁止、一事不再理)

何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。

 

[自民党案]

第四十条(刑事補償を求める権利)

何人も、抑留され、又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。

[現行憲法]

第四十条(刑事補償請求権)

何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。

 

《安全保障》

 憲法改正論議で最大の焦点となってきた9条の見直しについて、草案では、9条1項の「平和主義の理念を維持しつつも、2項の「戦力不保持」と「交戦権の否認」の規定を削除し、「自衛軍」の保持を明記した。「自衛隊は通常の観念で考えられる軍隊とは異なる」といった苦しい政府答弁を余儀なくされるなど、実態とかけ離れた国会での"神学論争"に終止符を打つ狙いがある。軍事組織の名称については、「国防軍」を推す声も根強くあったが、「自衛隊」の延長線上にあり、ソフトな印象を与えるとの判断から、自衛軍に落ち着いた。また、文民統制の観点から、自衛軍の活動に関する国会承認の原則などを明記し、自衛軍の「暴走」に一定の歯止めをかけた。集団的自衛権については、行使を容認する立場を取る。ただ、草案には行使の可否は明記せず、行使の具体的範囲は「下位法の安全保障基本法を制定する中で決める」(舛添庸一起草委員会事務局次長)としている。

《権利・義務》

 今年4月に発表された衆院憲法調査会の最終報告書では、環境権など国民の「新しい権利」を憲法上明記することが「多数意見」とされた。自民党草案は環境権について、「国は(環境の)保全に努めなければならない」との表現を盛り込み、国に一定の責務を課した。プライバシー権に関しては、「何人も、自己に関する情報を不当に取得され、保有され、又は利用されない」と規定した。環境権、プライバシー権の「加憲」に前向きな公明党との接点を探る狙いがあると見られる。ただ、プライバシー権については、「秘匿性の低い一般的な個人情報まで本人の同意なしに開示することが違法になると、表現の自由や報道の自由が制約される」と危惧する声もある。また、草案は「自由及び権利には責任及び義務も強調した。定義があいまいすぎるとの批判が出ている「公共の福祉」については、「公益及び公の秩序」との表現を用いた。

 

 

第4章  国会

 

[自民党案]

第41条(国会と立法権)

国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。

[現行憲法]

第41条(国会の地位、立法権)

国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。

 

[自民党案]

第42条(両議院)

国会は、衆議院及び参議院の両議院で構成する。

[現行憲法]

第42条(両議院)

国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。

 

[自民党案]

第43条(両議院の組織)

①両議院は、全国民を代表する選挙された議院で組織する。

②両議院の議員の定数は、法律で定める。

[現行憲法]

第43条(両議院の組織)

①両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。

②両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。

 

[自民党案]

第44条(議員及び選挙人の資格)

両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律で定める。この場合においては、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない。

[現行憲法]

第44条(議員及び選挙人の資格)

両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

 

[自民党案]

第45条(衆議院議員の任期)

衆議院議員の任期は、4年とする。ただし、衆議院が解散された場合には、その期間満了前に終了する。

[現行憲法]

第45条(衆議院議員の任期)

衆議院議員の任期は、4年とする。但し、衆議院解散の場合には、その機関満了前に終了する。

 

[自民党案]

第46条(参議院議員の任期)

参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。

[現行憲法]

第46条(参議院議員の任期)

参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。

 

[自民党案]

第47条(選挙に関する事項)

選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律で定める。

[現行憲法]

第47条(選挙に関する事項)

選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。

 

[自民党案]

第48条(両議院議員兼職の禁止)

何人も、同時に両議院の議員となることはできない。

[現行憲法]

第48条(両議院議員の兼職の禁止)

何人も、同時に両議院の議員たることはできない。

 

[自民党案]

第49条(議員の歳費)

両議院の議員は、法律で定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

[現行憲法]

第49条(議員の歳費)

両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

 

[自民党案]

第50条(議員の不逮捕特権)

両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議員の要求があるときは、会期中釈放しなければならない。

[現行憲法]

第50条(議員の不逮捕特権)

両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

 

[自民党案]

第51条(議院の免責特権)

両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない。

[現行憲法]

第51条(議院の発言及び表決の無責任)

両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

 

[自民党案]

第52条(常会)

①国会の常会は、毎年一回召集する。

②常会の会期は、法律で定める。

[現行憲法]

第52条(常会)

国会の常会は、毎年一回これを召集する。

 

[自民党案]

第53条(臨時会)

内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

[現行憲法]

第53条(臨時会)

内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

 

[自民党案]

第54条(衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別会及び参議院の緊急集会)

①第69条の場合その他の場合の衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する。

②衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から30日以内に、国会の特別会を招集しなければならない。

③衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。ただし、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。

④前項ただし書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであって、次の国会開会の後10日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失う。

[現行憲法]

第54条(衆議院の解散及び特別会、参議院の緊急集会)

①衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない。

②衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。

③前項但書のきんゅう集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後10日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

 

[自民党案]

第55条(資格争訟の裁判)

両議院は、各々その議院の資格に関する争訟を裁判する。ただし、議院の議席を失わせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

[現行憲法]

第55条(資格争訟の裁判)

両議院は、各々その議院の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

 

[自民党案]

第56条(表決及び定足数)

①両議院の議事は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、出席議員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

②両議院の議決は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければすることができない。

[現行憲法]

第56条(定足数、表決)

①両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

②両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

 

[自民党案]

第57条(会議及び会議録の公開等)

①両議院の会議は、公開しなければならない。ただし、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。

②両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるものを除き、これを公表し、かつ、一般に頒布しなければならない。

③出席議員の五分の一以上の要求があるときは、各議員の表決を会議録に記載しなければならない。

[現行憲法]

第57条(会議の公開、会議録、表決の記載)

①両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。

②両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。

③出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。

 

[自民党案]

第58条(役員の選任並びに議院規則及び懲罰)

①両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。

②両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、並びに院内の秩序を乱した議員を懲罰することができる。ただし、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

[現行憲法]

第58条(役員の選任、議員規則・懲罰)

①両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。

②両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議院を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

 

[自民党案]

第59条(法律案の議決及び衆議院の優越)

①法律案は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

②衆議院が可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

③前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

④参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

[現行憲法]

第59条(法律案の議決、衆議院の優越)

①法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

②衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

③前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

④参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

 

[自民党案]

第60条(予算案の議決等に関する衆議院の優越)

①予算案は、先に衆議院に提出しなければならない。

②予算案について、参議院で衆議院と異なった議決をした場合において、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

[現行憲法]

第60条(衆議院の予算先議、予算議決に関する衆議院の優越)

①予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。

②予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

 

[自民党案]

第61条(条約の承認に関する衆議院の優越)

条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。

[現行憲法]

第61条(条約の承認に関する衆議院の優越)

条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。

 

[自民党案]

第62条(議院の国政調査権)

両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

[現行憲法]

第62条(議院の国政調査権)

両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

 

[自民党案]

第63条(国務大臣の議員出席の権利及び義務)

①内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院のいずれかに議席を有すると有しないとにかかわらず、いつでも議案について発言するため議席に出席することができる。

②内閣総理大臣その他の国務大臣は、答弁又は説明のため議院から出席を求められたときは、職務の遂行上やむを得ない事情がある場合を除き、出席しなければならない。

[現行憲法]

第63条(閣僚の議院出席の権利と義務)

内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議席については発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

 

[自民党案]

第64条(弾劾裁判所)

①国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。

②弾劾に関する事項は、法律で定める。

第64条の二(政党)

①国は、政党が議会制民主主義に不可欠の存在であることにかんがみ、その活動の公正の確保及びその健全な発展に努めなければならない。

②政党の政治活動の自由は、制限してはならない。

③前二項に定めるもののほか、政党に関する事項は、法律で定める。

[現行憲法]

第64条(弾劾裁判所)

①国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。

②弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

 

 

第5章  内 閣

 

[自民党案]

第65条(内閣と行政権)

行政権は、この憲法に特別の定めのある場合を除き、内閣に属する。

[現行憲法]

第65条(行政権)

行政権は、内閣に属する。

 

[自民党案]

第66条(内閣の組織及び国会に対する責任)

①内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣で組織する。

②内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。

③内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。

[現行憲法]

第66条(内閣の組織、国会に対する連帯責任)

①内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。

②内閣総理大臣はその他の国務大臣は、文民でなければならない。

③内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

 

[自民党案]

第67条(内閣総理大臣の指名及び衆議院の優越)

①内閣総理大臣は、国会議員の中から国会が指名する。

②国会は、他のすべての案件に先立って、前項の指名を行わなければならない。

③衆議院と参議院とが異なった指名をした場合において、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に、参議院が指名をしないときは、衆議院の指名を国会の指名とする。

[現行憲法]

第67条(内閣総理大臣の指名、衆議院の優越)

①内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。

②衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

 

[自民党案]

第68条(国務大臣の任免)

①内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。この場合においては、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。

②内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

[現行憲法]

第68条(国務大臣の任命及び罷免)

①内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。

②内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

 

[自民党案]

第69条(内閣の不信任と総辞職)

内閣は、衆議院が不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

[現行憲法]

第69条(内閣不信任決議の効果)

内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

 

[自民党案]

第70条(内閣総理大臣が欠けたとき等の内閣の総辞職)

内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員の総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は、総辞職をしなければならない。

[現行憲法]

第70条(内閣総理大臣の欠缺、新国会の召集と内閣の総辞職)

内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。

 

[自民党案]

第71条(総辞職後の内閣)

前二条の場合には、内閣は、新たに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行う。

[現行憲法]

第71条(総辞職後の内閣)

前二条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。

 

[自民党案]

第72条(内閣総理大臣の職務)

①内閣総理大臣は、行政各部を指揮監督し、その総合調整を行う。

②内閣総理大臣は、内閣を代表して、議案を国会に提出し、並びに一般国務及び外交関係について国会に報告する。

[現行憲法]

第72条(内閣総理大臣の職務)

内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

 

[自民党案]

第73条(内閣の職務)

内閣は、他の一般行政事務のほか、次の掲げる事務を行う。

一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。

二 外交関係を処理すること。

三 条約を締結すること。ただし、事前に、時宜よっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。

四 法律の定める基準に従い、国の公務員に関する事務を掌理すること。

五 予算案及び法律案を作成して国会に提出すること。

六 法律の規定に基づき、政令を制定すること。ただし、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、義務を課し、又は権利を制限する規定を設けることができない。

七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

[現行憲法]

第73条(内閣の職務)

内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。

一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。

二 外交関係を処理すること。

三 条約を締結すること。但し、事前に時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。

四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。

五 予算を作成して国会に提出すること。

六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。

七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

 

[自民党案]

第74条(法律及び政令への署名)

法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。

[現行憲法]

第74条(法律・背入れの署名)

法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。

 

[自民党案]

第75条(国務大臣の特権)

国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。ただし、訴追の権利は、これにより害されない。

[現行憲法]

第75条(国務大臣の特典)

国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

 

 

第6章  司 法

 

[自民党案]

第76条(裁判所と司法権)

①すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

②特別裁判所は、設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行うことができない。

③軍事に関する裁判を行うため、法律の定めるところにより、下級裁判所として、軍事裁判所を設置する。

④すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。

[現行憲法]

第76条(司法権・裁判所・特別裁判所の禁止)

①すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

②特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。

③すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

 

[自民党案]

第77条(最高裁判所の規則制定権)

①最高裁判所は、裁判に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。

②検察官、弁護士その他の裁判に関わる者は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。

③最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

[現行憲法]

第77条(最高裁判所の規則制定権)

①最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理関する事項について、規則を定める権限を有する。

②検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。

③最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

 

[自民党案]

第78条(裁判官の身分保障)

裁判官は、次条第三項に規定する場合及び心身の故障のために職務を執ることができないと裁判により決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。行政機関は、裁判官の懲戒処分を行うことができない。

[現行憲法]

第78条(裁判官の身分の保障)

裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。

 

[自民党案]

第79条(最高裁判所の裁判官)

①最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官で構成し、最高裁判所の長たる裁判官で構成し、最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官は、内閣が任命する。

②最高裁判所の裁判官は、その任命後、法律の定めるところにより、国民の審査を受けなければならない。

③前項の審査において罷免すべきとされた裁判官は、罷免される。

④最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。

⑤最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、やむを得ない事由により法律をもって行う場合であって、裁判官の職権行使の独立を害するおそれがないときを除き、減額することができない。

[現行憲法]

第79条(最高裁判所の裁判官、国民審査、定年、報酬)

①最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。

②最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後10年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。

③前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。

④審査に関する事項は、法律でこれを定める。

⑤最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。

⑥最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

 

[自民党案]

第80条(下級裁判所の裁判官)

①下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が任命する。その裁判官は、任期を10年とし、再任されることができる。ただし、法律の定める年齢に達した時には退官する。

②前条第五項の規定は、下級裁判所の裁判官の報酬について準用する。

[現行憲法]

第80条(下級裁判所の裁判官・任期・定年、報酬)

①下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。

②下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

 

[自民党案]

第81条(法令審査権と最高裁判所)

最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

[現行憲法]

第81条(法令審査権と最高裁判所)

最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

 

[自民党案]

第82条(裁判の公開)

①裁判の対審及び判決は、公開法廷で行う。

②裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、対審は、公開しないで行うことができる。ただし、政治犯罪、出版に関する犯罪又は第三章で保障する国民の権利が問題となっている事件の対審は、常に公開しなければならない。

[現行憲法]

第82条(裁判の公開)

①裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。

②裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

 

 

第7章  財 政

 

[自民党案]

第83条(財政の基本原則)

①国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて行使しなければならない。

②財政の健全性の確保は、常に配慮されなければならない。

[現行憲法]

第83条(財政処理の基本原則)

国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

 

[自民党案]

第84条(租税法律主義)

租税を新たに課し、又は変更するには、法律の定めるところによることを必要とする。

[現行憲法]

第84条(課税)

あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

 

[自民党案]

第85条(国費の支出及び国の債務負担)

国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とする。

[現行憲法]

第85条(国費の支出及び国の債務負担)

国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。

 

[自民党案]

第86条(予算)

①内閣は、毎会計年度の予算案を作成し、国会に提出して、その審議を受け、議決を経なければならない。

②当該会計年度開始前に前項の議決がなかったときは、内閣は、法律の定めるところにより、動向の議決を経るまでの間、必要な支出をすることができる。

③前項の規定による支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

[現行憲法]

第86条(予算)

内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

 

[自民党案]

第87条(予備費)

①予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。

②すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

[現行憲法]

第87条(予備費)

①予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。

②すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

 

[自民党案]

第88条(皇室財産及び皇室の費用)

すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算案に計上して国会の議決を経なければならない。

[現行憲法]

第88条(皇室財産・皇室の費用)

すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

 

[自民党案]

第89条(公の財産の支出及び利用の制限)

①公金その他の公の財産は、第20条3項の規定による制限を越えて、宗教的活動を行う組織又は団体の使用、便益若しくは維持のため、支出し、又はその利用に供してはならない。

②公金その他の公の財産は、国若しくは公共団体の監督が及ばない慈善、教育若しくは博愛の事業に対して支出し、又はその利用に供してはならない。

[現行憲法]

第89条(公の財産の支出又は利用の制限)

公金その他の公の財産は、商況上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

 

[自民党案]

第90条(決算の承認)

①内閣は、国の収入支出の決算について、すべてまいて市会計検査院の検査を受け、法律の定めるところにより、次の年度にその検査報告とともに国会に提出し、その承認を受けなければならない。

②会計検査院の組織及び権限は、法律で定める。

[現行憲法]

第90条(決算検査、会計検査院)

①国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。

②会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

 

[自民党案]

第91条(財産状況の報告)

内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少なくとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

[現行憲法]

第91条(財政状況の報告)

内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

 

 

 

第8章  地方自治

 

[自民党案]

第91条のニ(地方自治の本旨)

①地方自治は、住民の参画を基本とし、住民に身近な行政を自主的、自立的かつ総合的に実施することを旨として行う。

②住民は、その属する地方自治体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を公正に分任する義務を負う。

第91条の三(地方自治体の種類等)

①地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括し、補完する広域地方自治体とする。

②地方自治体の組織及び運営に円する基本的事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律で定める。

 

[自民党案]

第92条(国及び地方自治体の相互の協力)

国及び地方自治体は、地方自治の本旨に基づき、適切な役割分担を踏まえて、相互に協力しなければならない。

[現行憲法]

第92条(地方自治の基本原則)

地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

 

[自民党案]

第93条(地方自治体の機関及び直接選挙)

①地方自治体には、法律の定めるところにより、条例その他重要事項を議決する機関として、議会を設置する。

②地方自治体の長、議会の議員及び法律の定めるその他の公務員は、当該地方自治体の住民が、直接選挙する。

[現行憲法]

第93条(地方議会、長・議員等の直接選挙)

①地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。

②地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

 

[自民党案]

第94条(地方公共団体の権能)

地方自治体は、その事務を処理する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

第94条の二(地方自治体の財務及び国の財政措置)

①地方自治体の経費は、その分担する役割及び責任に応じ、条例の定めるところにより課する地方税のほか、当該地方自治体が自主的に使途を定めることができる財産をもってその財源に充てることを基本とする。

②国は、地方自治の本旨及び前項の趣旨に基づき、地方自治体の行うべき役務の提供が確保されるよう、法律の定めるところにより、必要な財政上の措置を講ずる。

③第83条第2項の規定は、地方自治について準用する。

[現行憲法]

第94条(地方公共団体の権能、条例制定権)

地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

 

[自民党案]

第95条(削除)

[現行憲法]

第95条(特別法の住民投票)

一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

 

 

第9章  改 正

 

[自民党案]

第96条

①この憲法の改正は衆議院又は参議院の議員の発議の基づき、各議員の総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票において、その過半数の賛成を必要とする。

②憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一定であるものとして、直ちに憲法改正を公布する。

[現行憲法]

第96条(改正の手続き及びその公布)

①この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

②憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体と成すものとして、直ちにこれを公布する。

 

 

第9章  改 正

 

[自民党案]

第96条

①この憲法の改正は衆議院又は参議院の議員の発議の基づき、各議員の総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票において、その過半数の賛成を必要とする。

②憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一定であるものとして、直ちに憲法改正を公布する。

[現行憲法]

第96条(改正の手続き及びその公布)

①この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

②憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体と成すものとして、直ちにこれを公布する。

 

 

第10章  最高法規

 

[自民党案]

第97条(基本的人権の意義)

この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

[現行憲法]

第97条(基本的人権の本質)

この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

 

[自民党案]

第98条(憲法の最高法規性等)

①この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

②日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

[現行憲法]

第98条(最高法規、条約及び国際法規の遵守)

①この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

②日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

 

[自民党案]

第99条(憲法尊重擁護義務)

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。

[現行憲法]

第99条(憲法尊重擁護の義務)

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 

 

《統治機構》

 立法・行政・司法の三権の統治機構に関しては、現行憲法の規定をほぼ踏襲し、大かかりな仕組みの見直しに踏み込むことを避けた。起草委員会の議論では、衆参両院の二院制が円滑で迅速な国政運営を阻害しているとして、一院制への切り替えを求める意見もあったが、見送られた。参院側が強く反発したためだ。憲法裁判所の新設についても、法務省が難色を示したことなどにより、草案には盛り込まれなかった。変更点は、①首相の衆院解散権(草案54条1項)、行政各部の指揮監督・総合調整権限(同72条)を明記した。②国会での議事を開く定足数を緩和し、総議員の三分の一以上の出席を不要にした(同56条2項)。③巨額の財政赤字の解消に向け、財政の健全性への配慮規定(同83条2項)を新設した。ーなどにとどまった。一方、地方自治に関しては、現行92条の「地方自治の本旨があいまいとの批判に応え、地方自治の役割などを詳しく規定した。

《改正条項》

 憲法改正手続きについては、現行憲法の「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で国会が発議し、国民に提案する」との規程のうち、発議の条件を「過半数の賛成」に改め、改正のハードルを低くした。時代が大きく変化しているにもかかわらず、「三分の二の壁」が憲法改正を困難にし、憲法が現実の社会情勢に適応できない場面が生じるようになってきた。そうした反省から、改正がきわめて難しい「硬性憲法」に分類されれている現行憲法を、「軟性憲法」に変えようというわけだ。国会の憲法改正発議を受けた国民投票については、過半数の賛成要件を維持することとした。ただ、投票期日については、国政選挙という別の期日に行うことを明確にした。政権選択や政策を問う国政選挙と、統治の基本的な枠組みを決める憲法改正が同時に行われると有権者が混乱する、との配慮に基づくものだ。

 

自民党新憲法起草委員会 前文小委員長 中曽根康弘元首相

▲憲法改正を「党是」とする自民党がようやく草案をまとめた意義は。

「私は米軍の占領が解けたころから改憲を唱えてきた。あのころの国民は戦争に疲れ、生活に追われていたが、60年が経過した。国民は現行憲法の欠陥に気づき、自主憲法を持たなければならないという方向に変わってきた。冷戦が終わって以来、米ソの体系を離れてナショナリズムとアイデンティティーの確立を目指そうとする世界的風潮に乗って、改憲に向けて民族的に動き出したということだ。

▲草案の評価は。

「大体、国民の皆さんが支持できるような、穏健妥当な内容だ。国際的にも、そう不信感も抱かせることはない。憲法問題というのは、近隣諸国にとって非常に大きな関心事なので、その反応も十分考えて取り扱わなければいけない」

▲前文の作成に当たり、気を配ったことは。

「『不易と流行』という芭蕉の言葉がある。不易とは伝統的原則で、流行とは変化を考える新しい創造のことだ。前文には日本の歴史、文化、伝統の認識と承継を入れたかったが欠けている」

▲今後の憲法改正のスケジュールはどうなるか。

「私は昨年から『大体6年間ぐらいかけてやるべきだ』と言ってきた。来年には民主党の草案も出るだろう。国会の議論に上げ、政党の合意で(改正案を)作る。その後、衆院で約1年、参院で1年。さらに国民投票までの間に、国民に対する熟知期間を1年半から2年ぐらいは持った方がいい。国民の間に改正の内容と意志が醸成されてから改正へ前進すべきだ。政治が焦って進むのを国民に見せてはならない」

 

自民党新憲法起草委員会 天皇小委員会 宮沢喜一元首相

▲新憲法草案をどう評価するか。

「私はもともとあまり気が進む話ではなかった。ただ、知的財産や環境保全、個人情報保護、心身障害者の権利などで、国民の意識の大きな変化がある。それを新しい憲法に取り入れたいというなら、別に反対はしない。小泉選挙(今年9月の衆院選)で自民党はこれだけ大きくなった。党の憲法調査会の存在は重くなるだろう。

▲草案に「自衛軍」の保持が明記された。

「『国防軍』なんて呼ぶよりは、『自衛軍』の方が国民としては比較的慣れている。いいんじゃないかと思った。平和主義の堅持については、意外に異議が出なかった。9条改正には共産党や社民党の警戒感もあるだろうが、今の(草案の)程度のことだと、あまり心配はいらない。国連憲章に定める国連軍のようなものが当分できないことははっきりしている。そのような状況で自衛軍が海外で武力行使することはない」

▲象徴天皇制は維持された。

「(天皇を)元首に、との意見がもっと多いと思っていたが、象徴天皇に親近感を寄せる党員が意外に多かった。今さら元首ということはない。ということなのだろう」

▲憲法改正は何年後に実現しそうか。

「一直線には進展しない。ここで一度盛り上がり、またいろいろな議論があり、やがて国民が『一度やってみるか』という局面になるのかどうか。10年で考えるべきじゃないか。次の衆院選よりは先になるだろう。民主党の前原代表は自民党に近い意見をもっているが、党内には旧社会党系が相当いる。民主党全体が合意できるとは思えない。」

                                                          』

 

 

 

改憲には数年かかると言われているけれども、硬性憲法から軟性憲法にしておくだけでも、与党が三分の二を占めているならば、この小泉政権にしか期待出来ないことかもしれない・・・・。

 
 
 
【追記】<11/5付読売新聞より>
 
  憲法改正へ 自民・民主の提案出そろう
 自民党が「新憲法草案」をまとめたのに続き、民主党も憲法改正に向けた「憲法提言」を発表し、与党第一党が目指す新憲法の姿に、重なり合う部分が少なくないことが明確になった。憲法改正発議は、衆参両院の国会議員の三分の二以上の勢力を作ることが必要だ。憲法改正に向け、与野党はどう論点のすり合わせをすすめていくべきなのか。公表された両党案をもとに、共通点や調整が必要となる点を探った。
 
自民党は、現行憲法の前文と99の条文(捕則を除く)に対照させる形で、条文形式でまとめた草案を作成した。民主党は条文化は行わず、憲法改正の基本的考え方を包括的に整理した。焦点の9条では、両党案はいずれも、現行憲法の「平和主義」の理念を維持するとした。そのうえで、自民党案は「自衛軍」の保持を明記、民主党案は「自衛権」を規定するとした。ただ、両党案とも、自衛権行使の条件や範囲についてはあいまいだ。新憲法とあわせて定めるとしている安全保障基本法の議論で、両党が一致点を見いだせるかどうかが、今後のポイントとなる。人権規定では、両党案とも、環境権、プライバシー権、犯罪被害者の権利など「新しい人権」を追加した。定義があいまいな現行「公共の福祉」を見直すことでも一致している。差が最も大きいのは、司法の在り方だ。自民党案が見送った憲法裁判所について、民主党案は設置を盛り込んだ。自民党案のように現行憲法を全面的に見直すか、両党が一致した項目に絞り、部分的に改正するかどうかも、今後の論議の焦点となりそうだ。
 

自民党 新憲法草案

(10月28日発表)

民主党 憲法提言

(10月31日発表)

▽「日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者として、ここに新しい憲法を制定」と宣言。

▽国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の基本的原則を継承。

▽「国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務」を国民が共有と規定。

▽「社会の発展」「国民福祉の充実」「教育の振興」「文化の創造」「地方自治の発展」「地球の環境を守る」明記。

 

▽「国際社会において、価値観の多様性を認めつつ、圧政や人権侵害を根絶させるため、不断の努力を行う」と規定。

 

(前文は未発表。総論として、5つの「基本目標」を提示。)

①国民が自ら参画し責任を負う新たな国民主権社会を構築。

②環境権、知る権利、生命倫理など「新しい権利」を確立。

③「環境国家」と「平和創造国家」を目標。

 

④国の統治機構を確立し、「分権国家」を創出。

⑤日本の伝統・文化を尊重。個人・家族・コミュニティ・地方自治体・国家・国際社会の適切な関係を樹立。

▽象徴天皇制を維持。

▽国事行為としての衆院解散は首相の決定で行われることを明確化。

(言及なし)

 

▽戦争の放棄を掲げる現行憲法9条1項を維持。

 

▽「自衛軍」保持を明記。

▽自衛軍の活動は、国際協調、公の秩序維持、国民の生命・自由の防衛。

 

▽首相の最高指揮権と国会承認その他の文民統制を規定。「安全保障基本法」などを整備。

▽平和主義の考えを徹底。

▽武力行使は最大限抑制。

▽国連憲章上の「制約された自衛権」を明確化。

▽国連が主導する集団安全保障活動への参加。国連の正統な意志決定に基づかない安全保障活動には不参加。

▽民主的統制を明確化。「安全保障基本法」を制定。

▽自由・権利には責任・義務が伴うことを「自覚」と規定。

▽「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に言い換え。

▽プライバシー権を明記。

▽国民の「知る権利」を規定。

▽国は、環境保全に「努めらなければならない」と環境権を明記。

▽犯罪被害者の権利を追加。

▽知的財産権を追加。

▽障害者の権利を追加。

▽「共同の責務」の概念を導入。

▽「公共の福祉」を再定義。

▽プライバシー権の確立。

▽国民の「知る権利」を位置づけ。

▽自然環境を維持向上し、将来世代に引き継ぐための「共同の責務」を明確化。

▽犯罪被害者の人権を擁護。

▽知的財産権を憲法上明確化。

▽生命倫理・生命に対する権利を明確化。

▽個人的・社会的暴力を禁止。

▽子供の権利・発達を保障。

▽外国人の人権保障。

▽人権保障のための第三者機関設置。

▽「国際人権法」などを尊重。

▽二院制を維持。

▽首相の解散権限を明確化。

▽首相・閣僚の国会での答弁義務を緩和。

▽国は、政党の活動の公正を確保し、健全な発展に努めなければならないと政党条項を導入。

▽二院制を維持しつつ、各議院の役割を明確化。

 

▽政党を憲法上に位置づけ。

 

▽「行政監視院」などを整備。

▽独立行政委員会の位置づけを明確化。

▽国政調査権による議会のチェック機能を強化。

▽選挙制度の基本的枠組みを憲法上規定。

▽行政権を内閣に帰属。首相に行政各部への指揮監督・統合調整権。

▽内閣の主体を「内閣総理大臣」とし、首相の地位と指揮監督権限を明確化。

▽議員と官僚の接触を禁止する「政官のあり方」を検討。

▽軍事裁判所の設置。

▽裁判官の報酬減額規制を緩和。

▽(憲法裁判所は設置しない)

 

▽憲法裁判所設置を検討。

 

▽住民に「権利」と「義務」を規定。

▽地方自治体は、基礎地方自治体と、補完する広域地方自治体で構成。

▽国・地方自治体の「相互協力」を規定。

▽地方への「必要な財政上の措置」を規定。

▽連邦制はとらず単一国家を前提。

▽国と地方の役割分担と「補完性の原理」を明確化。住民に身近な行政は基礎自治体で。

 

▽地方自治体の「議院内閣制」「執行委員会制」「支配人制」など、多様な行政形態を採用。

▽課税自主権、財政自治権を保障。

▽住民投票制度の活用を容認。

▽国会による発議要件を過半数の賛成に緩和。

▽国政選挙とは別に国民投票を実施。

 

▽国民の意見を直接問う国民投票制度拡充を検討。

▽政教分離規定を緩和し、「社会的儀礼」「習俗的行為」の範囲内の宗教活動を許容。

▽「財政の健全性の確保は、常に配慮」と規定。

 

▽私学助成の合憲性を明確化。

▽政教分離を厳格に規定。

▽国会の議決に基づいて、首相が財政処理することを明確化。

 

●大石眞(おおいしまこと)~京大大学院教授。54歳。専攻は議会法、宗教法、憲法史。著書に「日本憲法史」「日本国憲法」など。

 自民党の条文案、結党50年に間に合わせるため急ぐ必要があったのだろうが、もう少し煮詰めておいた方が良い点も多い。民主党は、自民党案を見つつ、じっくりと取り組んで条文化して欲しい。「国民の義務・責務」の強化について、自民党案は「自由及び権利には責任及び義務が伴う」と規定し、民衆党案にも「共同の責務」が盛り込まれた。しかし、あまり義務や責務を強調すると、「公権力乱用に歯止めをかけるという憲法本来の趣旨と異なる」という反発を招く。自民党案は、「国防の責務」などの具体的な規定までは盛り込まず抽象的な表現にとどめたが、この形でよかったと思う。現行憲法に書かれている人権制約原理である「公共の福祉」については、あいまいだとの批判があり、自民党案は「公益及び公の秩序」との文言に変えた。しかし、単に言い換えただけでは、具体的な判断は裁判所に委ねられることになり、現状と変わらない。むしろ、例えば「表現の自由」(21条)には、「他人の名誉や信用を害さない」という制約があるとするなど、各人権の項目ごとに異なる制約の理由があることを、具体的に示した方がよかった。民主党案は、「あいまいな『公共の福祉』を再定義する」として、人権相互の調整原理と社会的価値の実現・確保の原理とに分け、「内面的自由の確保を核とする自由権に対する制約は、人権相互の調整の必要の範囲内でのことに限定し、より厳格な審査基準を設ける」としているが、疑問だ。いずれにもあてはまらない制約として、学校や風致地区の近くに風俗施設を作ることを禁じるケースなど、社会道徳の環境の観点から要請される制約もあるはずだ。

 

●浅田正彦~京大教授。47歳。専攻は国際法、安全保障。著書に「兵器の拡散防止と輸出管理」など。

 9条改正には二つのポイントがある。一つは、現行の9条2項が定める「軍隊・戦力の不保持」と現実との乖離を解消するという消極的な側面だ。二つ目は、今日の国際情勢を踏まえて日本がどのような国になりたいのかを明らかにするという積極的な側面だ。一点目は当然のことで、これまでの憲法論議が不毛すぎたということだ。より大事なのは二点目だ。自民党の条文案では、集団的自衛権の行使の可否が明記されなかったのが残念だ。「憲法上明記しなくても当然行使が認められる」という考えなのだろうが、、明記しなければ、新憲法下でも再び解釈を巡り論争が起きかねない。どこまで詳しく書き込むかは立法技術上の問題だが、少なくとも基本原則は示すべきだった。また、9条1項は内容的に国連憲章とも一致しているから、変えないのは当然だろう。ただ、1項に関連して積み上げられた政府の憲法解釈の中には、自衛隊の活動を制約するための「武力行使との一体化」論など、国際法上存在しない概念もある。改正を機に政府解釈も見直して欲しい。民主党案は「国際法の枠組みに対応したより厳格な『制約された自衛権』を明確にする」としているが、意味が分かりにくい。「制約」とは、先制的な防衛行為とは認めない趣旨なのか、それとも集団的自衛権の行使を排除する趣旨なのか。「国連が主導する集団安全保障活動への参加」「人間の安全保障」など美しい言葉がちりばめられているが、これらについても詰めるべき点が多い。2003年のイラク戦争は違法だとする見解と、安保理の武力行使授権決議に従った合法な武力行使だとする見解とに分かれる。個別具体的には、国連の集団安全保障活動か否かの判断は単純ではない。

 

●加藤秀次郎~東洋大教授。56歳。専攻は政治学。著書に「憲法改革の政治学」「日本の選挙」など。

 自民党が条文形式で新憲法草案をまとめたことを評価したい。民主党も条文化した案を早急に示して欲しい。ただ、自民党の草案は、衆参両院の二院制の在り方については、現行憲法の規定通り維持した。政権交代の可能性を踏まえて、本当にそれでいいのかどうか。ぜひ、再検討することを望みたい。先の通常国会では、衆院が可決した郵政民営化関連法案を参院が否決した結果、小泉首相が衆院を解散するという異常な事態が起きた。参院が否決した法案を衆院が再議決して成立させるには、三分の二以上の特別多数による賛成が必要だとして、参院に大きな権限を与えている現行憲法の規定があるためだ。衆院選で与党が圧勝したことを受け、参院の自民党反対派議員は、特別国会では雪崩を打って賛成に回った。参院の存在意義が問われる状況が現実に起こっている。参院を蘇生させる改革を検討することが必要だ。例えば、衆院の再議決要件を過半数に下げれば、参院は衆院から送付させた法案を慎重に審議し、修正する議院という役割が明確になる。衆参両院にまたがる党議拘束をやめることは、憲法改正しなくても可能だ。一方、民主党の提言も、「二院制維持と両院の役割の明確化」を打ち出しただけで、役割分担の具体的な方向性を明らかにしなかった。自民党草案と同様に踏み込み不足だ。将来、衆院選で民主党が勝利をおさめても、参院で自民、公明両党が多数をしめたままであれば、民主党政権下で法案の成立を図ることは困難だ。政局は混乱する。政権交代を目指す民主党こそが、積極的に二院制改革に取り組むことが望まれる。

 

●加藤秀樹~「構想日本」代表。55歳。慶大総合政策学部教授。旧大蔵省を経て、1997年から現職。

 自民党と民主党がまとめた憲法改正案は、今後の改正論議のたたき台にはなるだろう。だが、60年間も変えなかった憲法を変えようと言うなら、この際、憲法についてトコトン議論したらどうか。いくら「今度は自主憲法を」と言ってみても、「自由」や「人権」など、今の憲法に使われている概念自体は輸入ものだ。だから私たちの生活感覚にしっくりこないのだと思う。憲法に書かれている言葉を再定義してみてはどうか。例えば、自民党の草案には「責任感」「愛情」「公益」という言葉が使われている。民主党の提言にも、「共同の責務」という概念が出てくる。だが、今の若者は責任感という言葉を知らないのではないかと思うような行動をとる。責任感という言葉を巡る世代間の認識の差は大きい。「公」という概念も国民の受け止め方は様々だ。共同体への帰属が問われる「パブリック」の意味で使う人もいれば、政府への忠誠を論じる時の「ガバメント」と解釈する人もいる。国民のかなりの部分が、違うことをイメージする言葉を使うのは有害ですらある。英語に翻訳したらどうなるかという問題も含めて、言葉遣いを十分に検討すべきだ。海外ではたびたび憲法を改正しているが、日本国憲法は過去一度も改正されていない。憲法改正が現実の政治日程に乗れば、60年ぶりの大イベントになる。憲法改正論議は、「私たち日本人はこういうことを大事にする国民で、こういう国にしたい」ということを世界に向けて発信する絶好の機会だ。首相の靖国参拝を国民の間で議論し、海外に説明するチャンスにもなる。憲法改正を、国益に活用すべきだ。

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